こちらの記事では、家全体を暖められる「セントラルヒーティング」について紹介しています。セントラルヒーティングの概要やメリット・デメリットについてもまとめていますので、導入を検討されている方やこれから家を建てたいと考えている方などはぜひチェックしてみてください。
「セントラルヒーティング」は、別名「全館集中暖房」などの名前で呼ばれているもので、家全体を均一に暖めるための暖房システムです。一般的な仕組みは、ボイラーで作った温水を循環パイプでそれぞれの部屋に設置している端末機（パネルヒーターなど）に巡らせることによって、輻射熱と自然対流で部屋を暖めていくというものです。
主に寒冷地で多く採用されている仕組みとなっており、電気やガス、灯油をエネルギー源として使用します。
一般的には、セントラルヒーティングというと温水式を指すことが多くなっています。こちらの方式は、上記でご紹介している通りボイラーで温水を作って循環パイプでめぐらせ、パネルヒーターなどを使用して部屋を暖めます。
この方式の特徴は、熱損失が少ない点。例えば一戸建てなど大きな建物で採用した場合も、効率的に暖められるというメリットがあります。
温風式は、巨大なファンヒーターのようなシステムを使用し、温風を循環パイプに巡らせて家全体を暖めていく方式です。こちらの方式の場合、温水式と比較すると冷めやすいといった特徴があるため、小規模の建物への導入がおすすめの方式といえます。
セントラルヒーティングの導入を検討する上ではメリットはもちろん、デメリットについてもしっかりと知っておくことがおすすめです。ここでは、導入にあたって知っておきたいメリットとデメリットの双方をまとめていますので、あらかじめチェックしておきましょう。
セントラルヒーティングを導入した場合、家全体を暖められるので部屋ごとの温度差ができにくい、という点が大きなメリットといえるでしょう。また寒い地方は寒暖差による結露に悩まされるケースがありますが、セントラルヒーティングを導入して家全体を均一に暖めて温度差をなくすことによって結露の発生も抑えられます。
また、メンテナンスの面でもメリットがあります。例えば各部屋でストーブを使用する場合には1台1台のメンテナンスが必要ですが、セントラルヒーティングを使用している場合には、ボイラー点検と不凍液の入れ替えを行うことでメンテナンスが済みます。
セントラルヒーティングを導入した場合に考えられるデメリットとしては、もしボイラーが故障してしまった場合、全てのパネルヒーターが暖まらなくなり家全体を暖められなくなる点が挙げられます。
また、セントラルヒーティングを使用するためには、熱源機や端末機（各部屋のパネルヒーターなど）、循環パイプの設置が必要となることから、一般的には150万円程度の初期設置費用が必要になるといわれています。このように、セントラルヒーティングを導入する際に初期費用がかかる点がデメリットとして感じられる方もいるでしょう。
セントラルヒーティングは、「24時間稼働させておく」というイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、エネルギー源によって使い方を分けた方が効率よく使用できます。
例えば、エネルギー源に電気を使用している場合には、上記の通り24時間稼働させておく方が節約に繋げられます。これは立ち上がりの際に時間がかかるため、まめにオンオフを繰り返すとエネルギー消費量が大きくなってしまうのがその理由です。
また、ガスや灯油をエネルギー源に使用している場合には、逆に就寝時や長時間外出する際には稼働を止めた方が節約に繋げられます。これは立ち上がりが早くその際のエネルギー消費量が小さいためです。
このようにエネルギー源により違いがあるため、使用方法を使い分けることがおすすめです。
セントラルヒーティングの概要やメリット・デメリットに加えて効率的な使い方についてもご紹介してきました。家の中を均一に暖められるため、寒い地域に家を建てる場合にはぜひ検討しておきたい設備といえます。しかし、メリットとデメリットについてあらかじめ知っておき、自分たちには必要なのかどうかをしっかりと考えた上で導入するかどうかを考えてみると良いでしょう。