こちらのページでは北海道における家づくりの寒さ対策に関連し、鉄筋コンクリート造と木造での寒さの違いについてスポットを当て、各種の情報を掘り下げてご紹介していきたいと思います。
言うまでもなく北海道の住宅には寒さ対策が不可欠。木造よりも鉄筋工コンクリート造の方が暖かいのではないか、と考える方も多いことでしょう。鉄筋コンクリート造と木造の違いやそれぞれの特色について、ぜひ知識を深めてください。
一般の方の多くが、「鉄筋コンクリート造の住宅は暖かく、木造の住宅は寒い」というイメージをお持ちのようです。その理由の筆頭に挙げられるのは、鉄筋コンクリートの住宅はその構造上、木造住宅よりも隙間を少なくすることができるという特性があるためです。
木造住宅というものは読んで字の通り、木材を柱や梁に用いて骨組みとし、そこに壁材と断熱材を用いて造り上げます。対して鉄筋コンクリート住宅は鉄筋をベースにコンクリートを流し込んで整形していくというやり方。それゆえ、木造よりも構造的に隙間を少なくでき、ひいては気密性をよりたかめることができるのです。この点こそが、鉄筋コンクリート造の住宅は暖かいと評される大きな理由です。
それこそ大学で理系学科を専攻された方や、建材に関するお仕事をされている方にはご説明するまでもありませんが、実はコンクリートというものは、木材よりも蓄熱性能が高いという特性もあります。
蓄熱性能とは簡単に言えば、昼間の太陽光などで発生した熱を蓄えておける能力のこと。陽が落ちて気温が下がっても、昼間の熱を建物が維持していられるので、結果、木造よりもより暖かく感じられるのです。一般の方はご存知ない方が多いと思われますが、コンクリートと木材には、こうした違いもあるのです。
上記の通り、鉄筋コンクリートは木材に比べ暖かいという材質的な特徴がありますが、一方で鉄筋コンクリート造の建物なのに寒いというケースも、実はあります。とりわけ、ひと昔前に建てられた物件でそうしたケースが多く見られます。原因はズバリ、ひと昔前の鉄筋コンクリート造では、断熱材をキチンと使用していなかったケースが多いため。鉄筋コンクリート自体の性能に胡坐をかいていたのですね。もちろん近年では、鉄筋コンクリート造でも断熱材をキチンと用いています。
もうひとつ鉄筋コンクリート造は建物の強度が高いため、窓を大きくできるというメリットがありますが、それゆえ窓から熱が逃げていきやすいというデメリットも生じてしまいます。対応策として、サッシや窓ガラスに遮熱性のあるものを用いたり、遮熱カーテンなどを使用するといったことが挙げられます。
以上のことから、鉄筋コンクリート造は木造に比べ、寒さ対策の面で材質的、構造的なアドバンテージがあり、寒冷地での家造りに強みがあると言ってよいでしょう。
一方で、鉄筋コンクリート造だからと言って断熱材の使用を疎かにすべきではありません。また窓を大きくできるという利点を活かしたいのであれば、遮熱対策についてもしっかりと考慮しておくことが不可欠です。後悔のない家づくりのためにも、これらの点はしっかりと踏まえておいてください。