快適な家で暮らすのに、切っても切れない関係にある断熱材。とくに札幌市のような寒い地域では、暖かい家づくりが大切ですよね。そのために、もちろん断熱材は無くてはならない存在です。そこでここでは、断熱材の種類や特徴について解説していきます。
まずご紹介するのは、鉱物等を原料とする「無機繊維系」の断熱材。これにはグラスウールやロックウールなどの種類が存在し、全体的には以下のようなメリット&デメリットがあります。
無機繊維系のメリット
無機繊維系のデメリット
では、代表的な素材である「グラスウール」と「ロックウール」の特徴について見てみましょう。
グラスでウール…?と名前に疑問を抱く方もいるかもしれませんが、グラスウールはその名の通り「ガラスを繊維状に細くした素材」。日本国内でも広く普及している断熱材で、耐火性や防音性が高く、シロアリにも強い上に燃えても有毒ガスが発生しないのが魅力と言えます。
また、柔軟性もあるので地震や増改築にも強し。ただし、湿気を吸うと隙間が生まれてしまう恐れがあり、気密性を高めるためにはある程度の技術が必要です。
ロックウールは、スラグや玄武岩といった鉱物を繊維状に加工した素材。基本的にはグラスウールと似た性質を持っていますが、グラスウールより湿気に強いのが特徴です。ただし、逆に変形に弱く、比較的高価な点には注意しなければなりません。
次に、紙類や木材などの木質を加工した「木質繊維系」の断熱材について。これはセルロースファイバーが代表例であり、段ボールや新聞紙、おがくずなどの古紙にホウ酸や硫酸アンモニウムを加え、綿状に再利用した素材です。
木質繊維系のメリット
木質繊維系のデメリット
代表的な木質繊維系であるセルロースファイバーの特徴は基本的には上記の通りですが、さらに環境にやさしいことも魅力のひとつです。断熱性も無機繊維系とほぼ同様に高いと言われているので、メリットとデメリットを照らし合わせて考えましょう。
廃木材をはじめ、植物性の材料を用いて造られるボード状の断熱材。特に断熱性と遮音性に優れ、加工もしやすいというメリットがあります。それ以外にも木質繊維系ならではのメリットを兼ね備えていますが、シロアリには比較的弱く、耐火性能が不安な面も。
次に、羊毛やコルクなど「天然素材系」の断熱材について。これはウールブレスや炭化コルクなどが代表例となっており、以下のようなメリットが存在します。
天然素材系のメリット
天然素材系のデメリット
絨毯等に使用される素材ということもあり、天然素材系の中でも比較的耐久性に優れているとされるウールブレス。羊毛ならではの調湿効果と断熱性が魅力で、防虫効果も持続します。しかし、いっぽうで価格が比較的高く、業者選びに工夫が必要な面も。
ウールブレスと同じく断熱性や調湿性、加えて吸音性に優れている炭化コルク。ワイン等の製造工程で生まれたコルクの端材を活用したもので、防虫効果も高いですが、こちらも価格が比較的高いのがネックです。
最後に、無数の気泡を内包するプラスチックを用いた「発泡プラスチック系」の断熱材。これは素材による違いが大きいので、それぞれに特徴を見ていきましょう。
ポリスチレン樹脂をビーズ状に発泡させたもので、発泡スチロールと同じく軽くて柔らかく、加工もしやすいのが特徴です。結露防止にも優れており、発泡プラスチック系の中では比較的安価な断熱材ですが、熱に弱いという注意点も。
押出法ポリスチレンフォームは、ビーズ法ポリスチレンフォームと素材的にはほぼ同じですが、それを固い板状に成形したものとなります。水に強くて軽く、加工がしやすいだけでなく、断熱性が高いのも特徴。ただし、デメリットは同じく熱に弱いところです。
外断熱によく用いられる素材で、ポリウレタン樹脂に発泡剤をプラスし、ボード状に整えた断熱材です。発泡プラスチック系の中では柔軟性が高く、隙間なく施工すれば気密性もアップします。ただし、耐火性やシロアリ耐性は低く、新しい素材なので経年劣化が予測しにくいというデメリットも。
フェノール樹脂に発泡剤等を入れ、ボード状にしたフェノールフォーム。耐久性や耐火性に優れ、燃えても有毒ガスの発生リスクが低いのがメリットです。結露も予防できると言われていますが、いっぽうで比較的コストが高く、硬質ウレタンフォームと同様にシロアリ耐性が低い、経年劣化が未知数などの注意点があります。
断熱材はこのように、選ぶものによって性能にも差が出てくるもの。どれに対応している会社なのか、業者選びの際には参考にしてみてくださいね。