北海道の寒い冬を乗り切るのに検討したいロードヒーティング

北海道で冬の雪かきは重労働です。家の玄関前や駐車場、毎日作業をすることを考えると体力的にも精神的にも苦痛に感じます。
地面の下に電熱線などを通して路盤を温め、降ってきた雪を溶かして凍結を防ぐ設備「ロードヒーティング」があれば、雪かき作業の負担を軽減することができます。しかし、北海道のような豪雪地帯でも雪は全部溶けるのでしょうか。ロードヒーティングを設置するメリットや費用についてまとめました。

雪かきの手間が軽減されるロードヒーティング

ロードヒーティングは路面の凍結を防止する設備です。主に水道水の利用や電気を活用したヒーティング、自然エネルギーを活かした方法があります。
水道水を利用したシステムは路面下に敷かれた配管を通じて温水を循環させ、路面を加温して凍結を防ぎます。冬は「周囲の気温よりも地下水の温度の方が高い」という特性を利用したシステムで、ポンプで水を汲み上げて配管に送ると熱交換器を通じて温水となり路面を温めて凍結を防ぐ仕組みです。

電気ヒーティングシステムは路面の下に埋められた電熱線や導電性のある材料を通電させて、発熱によって路面を直接暖める方法です。交通路や緊急車両が通るルートに使用されています。
自然エネルギーを活かした方法では、太陽熱や地熱、風力など再生可能エネルギーを利用して路面の凍結を防ぐことができます。
豪雪地帯など雪が多いとすべて溶かすのは難しいのですが、ロードヒーティングを使えば雪かきの手間が軽減されます。敷地すべてに設置する場合コストがかかるので、玄関前や駐車場、車の乗り入れスペースなどの設置がおすすめです。

ロードヒーティングを設置するメリットは?

ロードヒーティングを設置するメリットは、除雪の負担を軽減することです。出勤前や仕事帰りの除雪を毎日あるいは1日に何度もおこなわなければなりません。毎日の除雪作業を少しでも楽にするにはロードヒーティングがおすすめです。他にどのようなメリットがあるのでしょう。

除雪の負担が大幅に減る

ロードヒーティングのメリットは、除雪の負担が大幅に減ることです。降り積もった雪は重くて運ぶのは重労働、これが毎日続くと身体に堪えます。設置した場所しか除雪できないのはデメリットですが、共働きや小さな子どもがいる家庭、体力に自信がない女性、高齢者や障がいのある方にとっては、除雪場所を少なくすることができれば身体への負担が軽くなります。
雪かきが必要な場所は玄関や駐車場です。ここにロードヒーティングを設置すれば、除雪にかかる時間も減らすことができます。

自動で稼働して雪を溶かす

自動運転に設定しておきますと、雪が降ったときに自動で雪を溶かしてくれます。ロードヒーティングは降雪量、外気温、路面水分などの各センサーによって自動でスイッチが「ON・OFF」に切り替わる仕組みになっており、外出中に積雪があったとしてもセンサーが反応して、自動で稼働して雪を溶かしてくれますので便利です。手動運転も選択できるため、家にいるときは手動、外出中は自動に切り替えると費用を節約できますので上手く使いこなしましょう。

転倒リスクを防げる

メリットはほかに、積雪による凍結予防です。雪かきをしても地面と積雪に温度差がありますので地面は凍結します。ロードヒーティングは地面に熱を加えることにより温度が上がりますので、凍結することはありません。凍結を防ぐことができれば転倒事故やスリップ事故を防ぐことができます。家族の安全を守るためにもロードヒーティングは必要なのではないでしょうか。

ただ、除雪した場所しか雪を溶かすことができないため、雪が溶けた敷地と溶けていない道路の境目に段差ができます。この段差は子どもや高齢者による転倒事故を招くリスクが高くなるため注意が必要です。車が乗り入れる際に引っかかることもあります。そのようなときは積もった雪を削って段差をなくすようにしてください。

設置費用に対する融資制度が利用できることも

ロードヒーティングのデメリットは、設置するための初期費用やランニングコストがかかることです。設置する面積や種類、動力源によって違いますが、だいたい60〜100万円ぐらい(※1)が費用相場だと言われています。

また、設置した後はランニングコストがかかります。ボイラー式は「灯油代やガス代」、電熱線やヒートポンプ式であれば「電気代」です。
札幌市ではロードヒーティングを設置する場合、「融雪施設設置資金融資あっせん制度」を利用することができます。融資限度額は300万円、無利子で融資してもらえます。金融機関からの融資で無担保であるため保証料が必要です。(※2)
令和6年度の申し込み期間は、以下の通りです。(※2)
4月23日(火曜日)から11月29日(金曜日)までの毎週月曜日から金曜日(祝日を除く)。ただし、融資枠(25件程度)に達し次第受付を締め切ります。
また、歩道部分のロードヒーティングを併せて施工する場合は10月末が期限となります。

※1 参考元:STAGE(https://stage-toyama.jp/roadheating/)

※2 引用元:札幌市公式HP
(https://www.city.sapporo.jp/kensetsu/yuki/yuusetsu.html)

まとめ

ロードヒーティングは玄関や駐車場など、設置した場所しか除雪できませんが、毎日の雪かきによる負担を軽くすることができます。初期費用の問題は、融資制度が利用できるので詳しいことは役所に相談してください。小さなお子さんや高齢者のいる家庭は、雪が溶けた敷地と溶けていない道路の境目にできる段差に気をつけてください。自動切換えにすれば外出中もセンサーが反応して稼働しますので便利です。北海道の冬の寒さを乗り切るためには、ロードヒーティングを検討してみては如何でしょうか。