国内で最も寒い地域である北海道で住宅を建てるときに、寒さ対策で多く採用されているのが、玄関フードとよばれる風除室です。ここでは、玄関フードの特徴や、設置するメリット、デメリットについて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
玄関フードは、玄関周りを囲うガラス張りの部屋で、一見サンルームのように見えるのが特徴です。風除室とも言われる設備で、北海道などの寒冷地の一戸建てでは、主に防寒対策としてよく採用されています。玄関は滞在時間が短いため、暖房器具等が設置されることも少なく、冷えやすい場所です。
また外の冷たい空気や風が入り込み家の室温が低下してしまうなど、寒さを軽減させる役割を担う設備として設置されていることが一般的です。ここでは、玄関フードのメリットについて紹介します。
国内でもっとも冬の寒さが厳しく、凍結や積雪の頻度も高い北海道では、玄関の凍結や寒さの対策が必須となります。玄関フードは、暖房器具が設置されていない玄関周りの温度低下を防ぐために設置することが多いです。
外の冷たい空気を遮断するだけでなく、積雪で玄関ドアが開かなくなることを防いだり、雪が家の中に吹き込まない様にする役割もあります。直接冷気にさらされないことで、ドアの劣化を防ぐことも期待できます。
玄関フードは、玄関周りのスペースを囲う小さな部屋状になっているので、簡易的な物置として活用することができます。冬の間の雪かき用のスコップはもちろん、ベビーカーやゴルフクラブセット、アウトドア用品など外で使用して屋内にはあまり持ち込みたくないものや大きめのものでも雨風にさらされることなく保管できるメリットがあります。
玄関フードの中は、雨風を気にすることなく土足で動けるスペースです。家の中に入る前に濡れたコートやレインコートなどの着脱ができたり、外からの花粉なども払ってから室内に入れるので、家の中に汚れや花粉を持ち込まなずにいられるというメリットもあります。悪天候でも荷物をいったん下ろしてゆっくり鍵を探して開閉できるので、玄関先で慌てることなく行動できます。
寒冷地に必要不可欠とおもわれる玄関フードですが、デメリットもあります。まず、設置には追加で費用がかかるため、住宅をつくる時にコストがかかってしまうことです。また、冬の厳しい寒さ対策としてとても重要な玄関フードは、外気温と室温の差によって結露が生じやすく、夏場には熱がこもってしまい玄関が蒸し暑くなってしまうこともあります。ただし、こちらの対策については、玄関フードに窓を設置することで換気を促すことも可能です。
玄関フードは玄関の外側にもう一つ部屋があるような状態なので、2つのドアを開ける必要があり、手間に感じることもあります。
玄関フードは、冬の寒さが厳しい寒冷地の住宅の防寒対策として多く設置されています。玄関の凍結や積雪によるドアの劣化や、雪の重みで玄関の開閉ができなくなるなどの寒冷地特有の住宅の悩みを解決できるだけでなく、簡易的な物置として活用したり、室内に外からの花粉や汚れを持ち込まなずに入ることができるなど様々なメリットが期待できます。
しかし、設置費用が別で必要になるため住居をつくるコストが高くなってしまったり、夏場は熱がこもって蒸し暑く感じるなどデメリットもありますので、設置に関しては、しっかりと検討しましょう。