ヒートショックを防ぐ浴室の寒さ対策

注文住宅で快適な浴室を検討する際には、寒さ対策が必須です。一日のリラックスタイムでもある入浴時の危険なヒートショックを防ぐためにも有効で寒い地域では特に気を付けたいポイントです。ここでは、浴室が寒くなる原因を提示し、建築時に有効な対策について詳しく紹介しています。

浴室が寒くなる原因とは?

浴室が寒くなる原因としては、断熱気密処理が十分にできていないことがあげられます。建物の基礎部分には、人が点検するために通ることができる「人通口」が設けられています。浴室の床下空間の基礎断熱が十分であっても、人通口の処理が雑であったり、断熱がされていなかったりすると、そこから冷気が侵入してきていまいます。
また、窓が設置されている浴室は、窓の断熱対策も重要です。浴室の断熱性や気密性が確保されていても、住宅内でも特に熱の流出量が多い窓の性能が低いと熱が逃げやすくなってしまいます。

浴室の寒さ対策

隙間を無くす

浴室の寒さ対策の1つとして、断熱気密を高めた室内の空気を逃がさず、外からの冷気の侵入も防ぐためにも隙間をなくすことが重要です。基礎部分の人通口を断熱材でしっかり密閉することや、配管や配線のために開けた穴が冷気の侵入口にならないよう丁寧に処理を行うなどの対策が必要です。

断熱材を仕込んでおく

浴室の床下空間の断熱対策をしっかりと行うことで、下からあがってくる冷気を防ぐことができます。ほとんど外と同じ状態である浴室の床下空間に断熱処理を施して室内空間と同等にすることで、問題解決につながります。
しかし、家を建てた後から断熱材を仕込む作業は重労働となり、リフォーム費用も1平方メートルあたり4,000円~30,000円と高額になってしまう可能性が高いので、できれば新築の段階で「基礎断熱工法」を選択することをおすすめします。

高性能な窓を選ぶ

浴室に窓を設置するのは、コストがかかり上に熱が逃げやすくなるため、寒さ対策としてベストとは言えませんが、換気ができてカビ対策になったり、浴室内を明るくするなどのメリットもあります。そにため、浴室の窓は耐熱性の高い断熱ガラスや樹脂サッシなどの高性能なものを選ぶ必要があります。
浴室窓の代表的なものとしては、引き違い窓をはじめ、縦滑り窓や横滑り窓、FIX窓などがありますが、全開にしなくても換気がしやすい横滑り窓や、開けたときの通気性が高く、閉めているときは気密性が高く保たれる縦滑り窓などが向いていると言えるでしょう。

浴室の隙間や窓など熱の逃げ道を塞ぐのがポイント

浴室内のあたたかな空気を逃がさないよう、配管や配線の穴を丁寧に処理したり、床下空間を断熱処理することで、浴室の気密性を保つことが問題解決のポイントです。

浴室の窓は換気や採光などメリットも多くありますが、住宅の中でも最も熱の流出量が高いなどのデメリットもあるので浴室に適した窓の種類を選んで、高性能なものを設置する必要があります。特殊な設備が必要な寒冷地での注文住宅は、地元の気候に詳しく、高断熱・高気密の住まいに実績のある会社に相談して建てるのがおすすめです。